親友M君 | 炎の人生劇場

親友M君

ある晩の出来事。

夜10時より2時間のバンド練習の帰り、携帯に一通のメールが。

「たのむ...。」

まるで断末魔の様な内容にただならぬ雰囲気を感じ、メールの送り主である友人Mに電話。
力なく答えるM。
事の真相はこうだ。

M「うちの飼ってる犬の太郎(オス)とメリー(メス)が逃げたぁ!ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!一緒に探してYO!!・゚・(ノД`)」

時計に目をやる。
午前0時はとうに過ぎている。
今夜の練習はハードだった。
私に残されている体力はわずかしかない。

Mには悪いが、断ろう。

M「メリー....妊娠してんだ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

私「( ;゚д゚)ナヌッ!?よし探そう!すぐ探そう!((( ;゚д゚)))アワワワワ」

女の涙には弱い私だが、それが男とて決して例外ではない(違

数分後、Mと合流。
二匹の行動範囲を確認後、二手に別れ捜索を開始した。
この極寒の最中、身重の嫁を連れ深夜の逃避行...。
太郎...お前はいったい何を考えてるんだ?
安定した生活を捨て、あえて自立の道を進もうというのか?

必死の捜索の中、幾多の思いがオレの心をかすめる...。

どれくらい時間が過ぎただろう。
捜索は難航を極めていた。
時刻は新聞屋さんが配達へと出発する頃に差し掛かっていた。

オレはMに連絡を取る事も忘れ、夢中で探していたが、これ以上の深夜の徘徊は二次遭難の危険もある。
ここはいったん断念し、朝を待った方が賢明だ。
オレは悔しさと、自分のふがいなさに奥歯をかみ締めながらMの携帯の番号を押した。
長いコール音が、Mの捜索も無駄に終わった事を予感させる...。
やっと繋がった電話口のMへ、オレは力無く口を開いた。

私「ゴメン...。結構探したけどダメやった...(ノД`)]


M「....! あ!? ゴメン!
   オレもう家帰って寝てた(*゚ー゚)

(;´∀`)・・・うわぁ・・・

大して悪びれる様子もないMの電話を速攻で切り、オレは家路へと急いだのだった。

太郎、夫婦仲良く達者でな M、これからもよろしくね!!
M、これからもよろしくね!!


( ゚д゚)、ペッ