輝ける高校生活 | 炎の人生劇場

輝ける高校生活

えぇー唐突ですが、私・・・極度のバカです。

年がら年中、アホな事ばっかやらかしております。

古くは幼少期、補助付き自転車で3メートルの落差がある池のほとりへ自ら死のダイブを敢行したり、花壇の柵に頭部が挟まって消防署の方々にご迷惑をかけたりと、数々の戦話を持っております。


今日はそんな素敵な体験談の中から高校時代の話を。



私の当時通っていた高校は、某大学の附属高であったにも関わらず、非常に香ばしい坊や達で溢れておりました。

いちおう共学と聞いていたので受験したのですが、いざ入学してみると、なんと学年に女子はたった10人です。

これがいけなかった・・・。
男たちは口々に「だまされた!」と言い知れぬ怒りに肩を震わせていたのです。

しかも入学説明会の壇上で、校長の発した驚愕の言葉に皆打ちのめされます。

校長「えー、1年生は坊主なんで。

我々は耳を疑いました。
まさかこの若さで出家しろとでも言うのでしょうか?

この学校、生徒同士の連帯感を育むという目的で、1年生の間は丸刈りが基本とのこと。

約800人の和尚が誕生した瞬間です

受験の際に学校選びのために取り寄せた案内資料には、99%の男子比率も、丸刈りの刑の事も、まったく触れていませんでした。


学校ぐるみの陰謀です。




そんなこんなで始まった学校生活ですが、担任国語教師がこれまた


とんでもねー人物だったんですよ。

ワインレッドのサングラスに超ヒゲ面、手には竹刀を持ってビュンビュン振り回しておられます。

過激派ですかこの人?


バイオレンス教師は初対面の私たちにこう吐き捨てました。

「いいかぁーお前ら、ここを学校だとか思うなよ!!ここは戦場じゃあ!!」




もしかして先生・・ベトナム帰還兵ですか?



軍曹に絶対服従は基本です。
歯向かえば、ありがたい愛の拳を頂きます。

軍曹はとても教師とは思えないような偏執的な性格の持ち主でして、普通の感覚ではとても太刀打ち出来ません。


当時、軍曹には小学6年生の息子さんがおりまして、たいそうかわいいらしく毎日息子の自慢ばかりします。
授業1時間、ぶっ通しで自慢話なんてざらです。
おかげさまで、軍曹の担当科目である現国、試験範囲まで終わらずに期末試験を迎えた時もありました。
軍曹いわく「お前らの根性が足りん」だそうです。(;´∀`)

また、軍曹のプリントを配る手がいつも震えているという謎もありました。
それもハンパな揺れじゃありません。
枚数を数える時、思わず破ってしまったこともありました。
しかし謎はすぐに解けます。

軍曹・・アル中です。

めっちゃ酒の匂いさせながら学校来てます。
手の震えは禁断症状の表れです。

こんなのってありますか?



そして、とうとう彼の脅威は私へと牙を向いたのです。



ある日のこと。

私はクラスの友人と大事な取り引きを予定していました。
1ヶ月も前から計画していた最重要案件です。
二人は昼休みの合間をぬって、周囲に注意しながらトイレで落ち合いました。


私 「おい、例のブツは持ってきただろうな?」
友人「まかせろ、校門でのチェックは突破したぜ。」
私 「でかした!これが明るみになると生き恥もんだからな。」
友人「おい、お前の方は報酬はちゃんと用意したのか!?」
私 「あせるな、あせるな。ほれ。」

私はそう言って学食の食券1000円分を彼に手渡しました。

友人「へっへっへ、いつも悪いねダンナ。」
私 「時間がない!早くブツを!」
友人「はい、淫乱若奥様(劇画)』  まいどあり。」


かくして無事にエロマンガをゲットした私は、幸せな気分で放課後を待ちました。

しかし運命は平穏な帰宅を許さなかったのです。










~帰りのホームルーム~


何事もなく無事に迎えたホームルーム。
私は、やっとこの緊張から開放されると胸を撫で下ろしていました。
後は愛車のフェラーリF40(自転車)にまたがり、光の速さで帰るだけです。


軍曹「貴様らぁ、帰りに寄り道なんかするんじゃないぞコラ!」

いつもの軍曹の戯言です。
普段なら、これで終わりなんですが・・・。


軍曹「ちょっとお前ら待て。」

不意に軍曹が神妙な表情で言いました。
氷のような緊張が教室を駆け抜けます。

軍曹「・・・ちょっと持ち物検査しよっか。」
















なにぃぃぃぃぃ!?


なぜ!?
なぜ、よりによって今日なんだよ!?
だいたい持ち物検査なんて滅多にやらないじゃないか!?

私の動揺がどんなに大きなものだったか想像するにおよびません。


軍曹「全員やってたら終わらんな。一人だけ行こうか。」


千歳一偶のチャンス!!


クラスの人数は52人。
検査に指名されるのは1/52の確立です。
よほど運がない限り、私が当たる確立は極めて低い!

私は気配を消し去り、空気と一体化を試みました。
目立ってはいけません。
それは即、死を意味します。

私はじっと目をつぶり、小川のせせらぎを思い浮かべます。
そう、ここは木漏れ日の落ちる森の中・・・。
新緑の爽やかな香り。


嗚呼、鳥さんコンニチハ

ウサギさん、ごきげんよう・・・。


















軍曹「じゃあ・・・スウェッツ行ってみようか。」










うそぉぉぉぉぉぉぉぉん!?(T▽T)



なぜ・・なぜそんなにも神は我に試練を与えるのデスカ?・゚・(ノД`)




その後の私は、もう成す術がありませんでした。

私のカバンを、なかば強引に物色する軍曹。




軍曹「なんじゃコレはぁぁぁぁ!?」


あぁ、見つかってしまったようです。
軍曹は私の大事な『淫乱若奥様(劇画)』を高々と持ち上げ、鬼の形相で私の胸ぐらをつかんでいます。


軍曹「貴様ぁぁぁ、よりによってこんなエグイの持ってきやがってぇぇぇ!!」


軍曹が怒りの言葉を発するたびに、クラス内での私の変態度は増してゆきます。


激しいビンタの応酬の中、薄れ行く意識の先に写ったのは、


私にエロマンガを渡した友人の、必死に笑いをこらえる表情だけでした・・・。










追伸

 その後の私のあだ名がエロガッパになったのはもう懐かしい記憶です