拳道in中洲(6)
友人を人質に取られ、黒塗りのえげつないベンツに前後をガッチリ固められ、早朝の優雅なクルージング・・・
気分はまさにV.I.P.
車窓から望む薄い青空には、陽の光が顔を出そうとしているのに、曇りに見えるのは涙のせいさ・・(T▽T)
一体これから方々はどこへと向かおうと言うのでしょう?
暴力団事務所にて拉致監禁&暴行か。
はたまた、険しい山中にて人生にピリオドを打たれるのか。
頭に浮かぶのは悪い未来ばかりです・・・(´Д`lll)
どちらにしろ、このまま「お疲れ様でした(*゚ー゚)」と言って帰れる雰囲気ではありません。
何かされます。
何かを。
とにかく今は、車内に放り込まれた二人の状況を考えれば、ただただ前方を走る黒ベンツについてゆくしかありません。
不意に赤信号に差し掛かったのか、先頭のベンツが停車したので、極めて異質な5台の車列が一直線に並びました。
前から2台目、つまりボクの前を走るベンツにA君とK君の二人が後部座席に押し込まれているはずなんですが、真っ黒なスモークガラスのせいで内部を伺い知る事はできません。
K君はおとなしくしているでしょうか・・・。
A君は怯えていないでしょうか・・・。
あぁ、運転役で良かった(*゚ー゚)(違)
一時の安堵感にひたっていると、突然ボクの乗る車の窓からコツコツとウインドウをノックする音が聞こえました。
横に目線を移すと、そこにはトサカが『窓を開けろ』と手の平を上下に振っていました。
ウインドウを下げると、トサカはいきり立って言います。
トサカ「鍵開けろ、オレも乗る」
いらっしゃいませ(泣)
ボクが集合ロックを解除すると、トサカは乱暴にドアを開け、助手席のシートに乗るなり、土足で両足をダッシュボードに投げ出しました。
トサカ「ガキが偉そうにこんな車転がしやがって。」
あまり気分が優れない様子でおられます
でもそんな事言ったって、これはK君の車であって、
ボクの愛車はベンツSクラス(自転車)なのですから
(*゚Д`;)
信号が変わって、車列が進み始めてもトサカの粘着質なイビリは続きました。
トサカ「お前らさぁー、もう終わったよ?もう謝っても遅いよ?」
そう言いながら不敵に笑うトサカの表情は、楽しんでいる感さえあります。
終わったという事は、
始まっていたのでしょうか。・・・何が?
それからの車内での会話は、トサカの一人舞台でした。
延々と自分の事ばかり話して聞かせます。
○親の敷いたレールに乗る事を拒み、高校を入学してすぐにやめ、クマの元で修行中(何の?)というマイ・ヒストリー。
○憧れの先輩は目玉で、いつか自分も目玉の様に成り上がって見せるという決意表明。
○好きな食べ物はサクランボという自己分析。
激しくつまらんのだが。
彼がどう成り上がりたいのかは分かりませんが、現時点では
ただの話し好きなチンピラという事だけは確認が取れました。
まだまだ出世の道は険しいようです。
~それからそれから~
15分くらい走ったでしょうか?
車列の先頭を走るベンツが信号の無い場所の路肩に車を寄せました。
それに続いてボクを含む以下の4台も車を停めます。
トサカ「さぁて、おもしろくなってきやがった!」
トサカはそう言うと、エンジンもまだ切ってないボクを助手席側から引きずり降ろしたのです。
そしてそのまま首根っこをつかまれ、路上に投げ飛ばされました。
それがまるで合図だったかのように、4台のベンツから次々と方々が降りてこられます。
辺りを見回すと、そこは繁華街の外れの未開発地域だったので、うっそうと茂った雑草が一面に広がってるだけのさびしい場所でした。
もちろん僕ら以外に人の気配などありません。
半身で倒れていたボクの元に、目玉がやってきて腰を降ろしてこう言いました。
目玉「・・・殺しはせんけん安心しろ。」
一瞬、その大きな目玉がキラリと光ったような気がしました。
ボクはその氷の様な冷徹な視線に、ただ呆然とするしか無かったのです。
程なくして、A君もボクの隣に引きずられて来ました。
泣き疲れたのか、恐いくらいに無表情でアスファルトの隙間から抜き出た草の葉っぱを眺めています。
まさにボクらは絶望の淵に立たされていました。
K君を除いては。
K君「あぁ!?お前から死にたいんかコラァァ!!(*`Д´)」
K君・・・若手の構成員の方にヘッドロックをかましながら、何発もゲンコツを食らわせています(T▽T)。
それはもう・・・神々しいほどの恐い者知らずな姿なわけです。
何人かの方々を撃破したのち、数人がかりで取り押さえられていました。
もう・・・狂犬です。
A君 (´Д`)
ボク (( ;゚д゚))
K君 ヽ(`Д´*)ノ
あぁ・・・神様!゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
つづく
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気分はまさにV.I.P.
車窓から望む薄い青空には、陽の光が顔を出そうとしているのに、曇りに見えるのは涙のせいさ・・(T▽T)
一体これから方々はどこへと向かおうと言うのでしょう?
暴力団事務所にて拉致監禁&暴行か。
はたまた、険しい山中にて人生にピリオドを打たれるのか。
頭に浮かぶのは悪い未来ばかりです・・・(´Д`lll)
どちらにしろ、このまま「お疲れ様でした(*゚ー゚)」と言って帰れる雰囲気ではありません。
何かされます。
何かを。
とにかく今は、車内に放り込まれた二人の状況を考えれば、ただただ前方を走る黒ベンツについてゆくしかありません。
不意に赤信号に差し掛かったのか、先頭のベンツが停車したので、極めて異質な5台の車列が一直線に並びました。
前から2台目、つまりボクの前を走るベンツにA君とK君の二人が後部座席に押し込まれているはずなんですが、真っ黒なスモークガラスのせいで内部を伺い知る事はできません。
K君はおとなしくしているでしょうか・・・。
A君は怯えていないでしょうか・・・。
あぁ、運転役で良かった(*゚ー゚)(違)
一時の安堵感にひたっていると、突然ボクの乗る車の窓からコツコツとウインドウをノックする音が聞こえました。
横に目線を移すと、そこにはトサカが『窓を開けろ』と手の平を上下に振っていました。
ウインドウを下げると、トサカはいきり立って言います。
トサカ「鍵開けろ、オレも乗る」
いらっしゃいませ(泣)
ボクが集合ロックを解除すると、トサカは乱暴にドアを開け、助手席のシートに乗るなり、土足で両足をダッシュボードに投げ出しました。
トサカ「ガキが偉そうにこんな車転がしやがって。」
あまり気分が優れない様子でおられます
でもそんな事言ったって、これはK君の車であって、
ボクの愛車はベンツSクラス(自転車)なのですから
(*゚Д`;)
信号が変わって、車列が進み始めてもトサカの粘着質なイビリは続きました。
トサカ「お前らさぁー、もう終わったよ?もう謝っても遅いよ?」
そう言いながら不敵に笑うトサカの表情は、楽しんでいる感さえあります。
終わったという事は、
始まっていたのでしょうか。・・・何が?
それからの車内での会話は、トサカの一人舞台でした。
延々と自分の事ばかり話して聞かせます。
○親の敷いたレールに乗る事を拒み、高校を入学してすぐにやめ、クマの元で修行中(何の?)というマイ・ヒストリー。
○憧れの先輩は目玉で、いつか自分も目玉の様に成り上がって見せるという決意表明。
○好きな食べ物はサクランボという自己分析。
激しくつまらんのだが。
彼がどう成り上がりたいのかは分かりませんが、現時点では
ただの話し好きなチンピラという事だけは確認が取れました。
まだまだ出世の道は険しいようです。
~それからそれから~
15分くらい走ったでしょうか?
車列の先頭を走るベンツが信号の無い場所の路肩に車を寄せました。
それに続いてボクを含む以下の4台も車を停めます。
トサカ「さぁて、おもしろくなってきやがった!」
トサカはそう言うと、エンジンもまだ切ってないボクを助手席側から引きずり降ろしたのです。
そしてそのまま首根っこをつかまれ、路上に投げ飛ばされました。
それがまるで合図だったかのように、4台のベンツから次々と方々が降りてこられます。
辺りを見回すと、そこは繁華街の外れの未開発地域だったので、うっそうと茂った雑草が一面に広がってるだけのさびしい場所でした。
もちろん僕ら以外に人の気配などありません。
半身で倒れていたボクの元に、目玉がやってきて腰を降ろしてこう言いました。
目玉「・・・殺しはせんけん安心しろ。」
一瞬、その大きな目玉がキラリと光ったような気がしました。
ボクはその氷の様な冷徹な視線に、ただ呆然とするしか無かったのです。
程なくして、A君もボクの隣に引きずられて来ました。
泣き疲れたのか、恐いくらいに無表情でアスファルトの隙間から抜き出た草の葉っぱを眺めています。
まさにボクらは絶望の淵に立たされていました。
K君を除いては。
K君「あぁ!?お前から死にたいんかコラァァ!!(*`Д´)」
K君・・・若手の構成員の方にヘッドロックをかましながら、何発もゲンコツを食らわせています(T▽T)。
それはもう・・・神々しいほどの恐い者知らずな姿なわけです。
何人かの方々を撃破したのち、数人がかりで取り押さえられていました。
もう・・・狂犬です。
A君 (´Д`)
ボク (( ;゚д゚))
K君 ヽ(`Д´*)ノ
あぁ・・・神様!゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
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