拳道in中洲(11) | 炎の人生劇場

拳道in中洲(11)

絶対絶命のピンチに突如舞い降りた、

国家権力な天使。


普段は近寄り難い、出来れば関わりたくない方々ですが、この時ばかりは違いました。

その数、パトカー3台にカブ5台。

計11名の警官が大挙してやってきたのです!!


しかし一人だけ空気の読めない猛獣が・・・。



K君「警察がなんぼのもんじゃコラァ!!ヽ(`Д´)ノ」


せっかくの救いの神に何たる暴言

彼が恐れる物は、この世にはないんでしょうか!?


案の定、噛み付くK君の態度に警官達は不快感をあらわにしました。



警官「何やお前?酔っとるんか?」



トーンは低めですが、表情は明らかに切れてます。

するとK君、持っていた木刀をグルグル振り回しながら警官の方へ近付いてゆくではありませんか!!
((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

警官達は、異様な雰囲気を察したのか、一斉に身構えました。

かなりマズイ状況です。



警官「何のマネか貴様?木刀でも引っ張れるんやぞ!」



引っ張る!?
ヤバイ!!(゚Д゚;)逮捕をちらつかせています!!

するとK君が口を開きました。



K君「剣道の練習たい!!」


エェェェェェ━━━(;´Д`)!?

そう来ましたか(大泣)

緊迫したこの状況で、悪びれる様子も無く言い切ってしまうあたり、大器の片鱗をうかがわせます。

早朝の街中でいかついヤクザ相手に剣道指南。

意外性がありすぎて笑いも起こりません。



警官「はぁ?お前、なめとるんか?」



警官達は辺りの異様な雰囲気を見逃しませんでした。



警官「こんなケガ人たくさんおって、えらい熱心やの?


かなり不快感を増しておられるご様子です。(T∀T )


このままではK君は捕まってしまうかも知れません。
ただでさえ早朝からの出動に気分を害していらっしゃるはずなのに!


すると、中年とおぼしき少し腹の出た警官が、カスリ傷程度のクマの部下をつかまえて聞きました。



警官「責任者誰や?」



誰なの?



警官「朝からバカ騒ぎしくさって。付近の住民から苦情出とるんや。」

カスリ傷「・・・えらいスンマセン。」



なんか素直じゃない!?(´Д`)


警官到着直後から、どうもヤクザたちの様子が変です。

ふてぶてしいK君とは対照的に、一様に勢いを失った猛者たち。

中には落ち着かないのか、キョロキョロと目線を移している者や、頭を掻いたり背伸びをしているのもいます。


これ、キョドッてるよね?


とにかく、警官達の登場で乱闘騒ぎは沈静化の方向に向かっているのは確実です。

一時の安堵に胸を撫で下ろし、A君の姿を探しました。

が、・・・


なぜか見当たりません。

どこだろうと周りを見渡すと、居ました。



ベンツの陰に隠れてます(;´Д`)

ちょうど警官たちからは死角になっている場所で小さくなってます。

しばらく見ていると、ボクの視線に気付いたのかA君はボクの方を向き、両手を合わせ懸命にウインクしてます。


意味がわからんのだが。


さしずめ、『オレが隠れているのは秘密よ!』とでも言いたげです。


混乱しているのでしょう。



警官「責任者おらんのか?全員引っ張るぞ?」



全員の中にボクらも含まれているのは当然です。


どうしましょう!?
このままでは道ずれに拘束され、

事情聴取→拘留→送検→公判→懲役  いやぁぁぁぁ(*゚Д`;)

まだ真っ白なボクの犯歴を汚すわけにはいかない!!


ってゆうか、何の容疑?


警官の『全員引っ張る』の言葉に頭を抱えていると、一人の人間が動きました。

クマです、クマが動きを見せたのです!



クマ「いやぁ~なんかわざわざこんな所までご苦労さんですぅ」




誰コレ?


えらい低姿勢じゃないか!?( ;゚д゚)
やれ!(殺れ?)とか弾くぞ!とか言ってた威勢はどこへやら・・。
手をスリスリ、文字通りゴマすりのように警官に近付くクマ。



警官「お前が責任者か?」

クマ「はい~、さようでございますぅ~」



なんかキモい(´Д`lll)


しばらくやり取りしていたクマと警官の会話を要約すると、

●クマたちはヤクザでは無く金融関係の集団(おそらく悪徳)
●早朝から騒いでいたボクらに教育的指導を施していただけ。
●ケンカでは無く、行き過ぎたじゃれあい。
クマは刑務所から出所した直後で、今問題を起こすとマズイ(仮出所?)

との事でした。

つまり、クマ達も警官には頭があがらないのです。



警官「騒ぎよったってのは、あんた達ね?」


突然、警官に質問されてボクは焦りました。



ボク「は、はい!( ;゚д゚)」

警官「これ達(クマ達)に暴力ば受けたね?」


もちろん『はい!』と返事したいのはやまやまなんですが、面倒に巻き込まれる(署に連行される)のはボクらもまっぴらです。
ここはクマ達に話を合わせないと・・・。



ボク「暴力じゃありません!転んだんです!


イカン!!ベタか!?



警官「転んだ?・・・えらい派手に転んだもんやなぁ。」

ボク「はい!それはもうハデハデです!(?)」

警官「・・・・。」


警官はしばらくボクの顔をじっと見つめていました。
あきらかに疑ってます。(当たり前か)



警官「君がそう証言するなら、私らも引いてもよかばってん、それでいいとか?」

ボク「・・・。」

警官「これ達に脅されとるんじゃないとか?」


なんかこの警官優しいかも(*´д`*)



ボク「・・・大丈夫です。脅されてはいません。ボクたちが騒いでたのが悪いんです。」


警官のおじさん、ゴメンなさい(ノД`)

その警官はため息を一つつくと、ポケットから何やら取り出して言いました。



警官「鼻血が出とるやないや。これで拭きなさい。」


警官が差し出したのは、キレイな一枚の白いハンカチだったのです。



警官「それ、もう君にやるわ。返さんでええから。はよ拭きい。」



むぉぉぉぉ!警官優し過ぎ!(*゚Д`;)

ボクはもらったハンカチで顔をぬぐいました。
血で真っ赤に染まるハンカチ。



警官「一応聞いとくけど、あの子も君の連れね?」

ボク「へ・・・?」


警官の指指す方を見上げると、クマの部下2人に後から羽交い絞めにされ暴れるK君の姿が・・・
(´Д`)



ボク「は・・・はぃ・・・。」

警官「えらい暴れとるが、薬とかやっとらんね?」

ボク「えぇ!?やってません!やってません!!( ;゚д゚)」

警官「・・・そやろな。酔ってるだけやろな、君を信じるわ。」



そう言うと、警官はクマの方に向かって歩み寄ると、少しきつい口調で言いました。



警官「お前らも、こげな若いもんに威張り散らさんと、まっとうに生きてみらんかい!看板背負っとるんやろが!」

凍りつくクマ一派!

カッコイイ!!(*゚Д`;)


警官たちは無線で何やら話した後、ぞろぞろと帰って行きました。

たぶん、あの警官は全てお見通しだったんだと思います。


もしかしたら、その後に起こった奇跡も.。.:*・゜゚・*・*:.。.




つづく




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