炎の修学旅行① | 炎の人生劇場

炎の修学旅行①

みなさんは学生の頃の修学旅行にどんな思い出がありますか?

最近では旅行先が海外なんて学校もあったりなんかして、とっても羨ましい限りです。

しかし、国内外問わず、修学旅行というものは独特の楽しさがありますよね。

学校という日常を飛び出し、大勢の友達と集団行動。

夜は先生の見回りを警戒しながら、夜更かしなんかした人も多いんじゃないでしょうか?


当然、僕にも思い出はあります。


異常な思い出がな。


今回のお話は、そんな素敵な修学旅行のトホホな体験記です。




~スウェッツ、高校2年生のある日~






「あぁ・・・暑いぃー(;´Д`)」


6月に入ったばかりだというのに今年は例年に無く厳しい猛暑で、クーラーなどの近代装置に無縁だった僕の学校では、ほぼ全校生徒が暑さで勉強どころではありませんでした。

以前にも書きましたが、僕らの学校は共学とは名ばかりの超男子校だったわけで、当然、右を向いても左を向いても男・男・・・



野朗ばっかやんけ!!ヽ(`Д´)ノ


な状態の男子クラスが大半を占め、僕もそんなむさ苦しいクラスの一員でした。

ただでさえ暑さで意識が飛びそうな中で、ズボンをヒザまでまくりあげスネ毛満載の足を投げ出した者や、すでに半裸になって、学生というより競馬で有り金無くし途方に暮れるオヤジのように線路を脱線しそうな連中ばかりが目に入り、さらに意識混濁の様相を呈しております。


しかし、そんな僕にも一つだけ楽しみな事がありました。


それは修学旅行!(゚∀゚)


僕ら九州、取り分け福岡県の地元高校の修学旅行は、行き先がスキーと相場が決まっています。

日ごろ積雪などとはほとんど無縁な福岡の子供たちにとって、北の大地で行われている『スキー』なるスポーツは憧れの的でした。

特に僕は小さい頃から『雪』という物に強烈な興味がありまして、1年に何度か降り積もる雪を目の当たりにしては、雪ダルマの作成・雪合戦への参戦などのスノーイベントで狂喜しておりました。

そして、その集大成が『スキー』だったのです。


雪国の民にだけ許されるという魅惑のレジャー。

白銀の大地を華麗に駆け抜け、後に残るは美しいシュプールのワインディングだけ・・・。


考えただけでも昇天確実なシチュエーションに、胸を踊らせていました。

本格的な夏を前にして、僕の心は早くも冬に行ったまま戻って来ません。

今年の冬は、絶対に忘れられない思い出になるはずでした。


そんなある日の事・・・




いつものように、汗だくになりながら自転車をこいで学校に着き、バテ気味で教室に入った時でした。

何やら教室全体がざわついています。

生徒同士が話したりふざけ合ったりして、いつも朝はうるさいのは変わらないのですが、ちょっと様子が変です。

クラスのどこを見回しても、神妙な顔ばかりでした。

何か事件でもあったのだろうかと自分の席に向かおうとした時、クラスメイトの一人が駆け足で僕のもとへやってきました。


友「ちょっ・・スウェッツ聞いた!?」

僕「・・・へ?」

友「お前、掲示板見てないの!?」

僕「・・??見てないけど??」


友達が続きを口に出そうした矢先、担任の先生が教室入って来てしまい、結局何があったのかは聞けずじまいでした。

彼が言っていた『掲示板』とは、玄関の正面に学校の連絡事項を張り出す場所です。

連絡といっても、お知らせ程度の内容がほとんどなので、普段マジマジと見る生徒はいませんでした。

彼の動揺した様子からも、何か重大な事に違いありません。


担任である強面の体育教師が、教卓に生徒名簿を置くと、出席を取る前に何やら話し始めました。


先生「えぇー、すでに知っている者もおるようだが、大事な連絡がある。」


そうやら、例の『掲示板』の内容のようです。


先生「事前に言っとくが、この件はすでに決定事項なので、文句があるヤツは後で職員室に来い。」


誰がこんな屈強なレスラーに文句を言うんでしょう?

みんな息を固唾を飲んで先生の話を聞いていました。


先生「えぇー、修学旅行の行き先の件だが・・・・」



!?



先生「今年のみ、試験的に沖縄に変更になった。以上。」




僕「うそぉぉぉぉん!?(゚Д゚;)」



思わず、教室中に響くような大声で叫んでしまった僕。

僕の夢は、あまりにも唐突な幕切れを迎えてしまいました。

そんな・・・そんな、あんまりだよママン・・_| ̄|○

家で密かに繰り返したボーゲンのイメトレも、

すべて泡となって消え去ってしまいました。

僕が落胆の中、机でうなだれていると、突然、野太い怒りの声が。



先生「貴様だけか、文句があるのは?


僕が放った悲しみの雄叫びが、

ソルジャーの導火線に火を点けてしまったようです。('A`)


他の生徒を残し、首根っこをつかまれながら教室を後にする僕。


その後、職員室ではなく、なぜか体育教官室に連れていかれ、数発の愛の拳を頂いたあと『沖縄に行きたくてたまりません』的な文章を一筆書かされました。('A`)


後に聞かされた沖縄変更の理由は、前年度の生徒が宿泊先のホテルでタバコによるボヤ騒ぎを起こしてしまったらしく、その他さまざまなしがらみも含めた要因が重なったんのが原因だったとの事。

受験も控えた大事な2年生という時期もあり、夏に前倒しされたようです。



かくして、夢にまで見た『白銀のスキー旅行』は一転、


『灼熱の沖縄男祭り』に変更されました。



そして、この沖縄旅行、ある意味忘れられない思い出になってゆくのです・・・。




つづく





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