炎の修学旅行⑥ | 炎の人生劇場

炎の修学旅行⑥

~2日目~


昨日のO君の惨劇により、疲労の色が濃厚なタコ部屋の9名であります。


しかし、いつまでも落ち込んでばかりもいられません。
何度も言いますが、 これは旅行なのです。
本来は楽しい出来事満載なはずなのです。
高校の修学旅行は通常は1回きりなんです。

テンション上げて行きましょう!(゚∀゚)

そんな僕の思いを知ってか知らずか、

クラスのみんなも心なしかウキウキで一列縦隊です。


何を隠そう今日のプログラムには、メインイベントが組み込まれているのです。
沖縄と言えば何だか分かりますか??

そうです、海です。 SEAでございます。

常夏の日差しを浴びて揺らめく白い波。
透き通るようなエメラルドブルーの世界を漂う色とりどりの熱帯魚たち。
スイカ粉砕に沸き上がる民衆。

これそ沖縄。 ビバ!南国!


数々の先生方の熱い指導にも耐え、僕らはその呪縛から今、解き放たれようとしているのです!!



~それからそれから~


とうとう時はやって来ました。
眼前に広がる光景に、しばし絶句。(´ρ`)

ここ、ホントに日本なんでしょうか?
こんなに素晴らしい景色を、僕は生まれてこのかた目にした事はありません。

来て良かった(。´Д⊂)

スキーに行けず不満だった自分は、いつしか福岡に帰ってしまったようです。
心の洗濯とでも申しましょうか、なんだか自分がちっぽけな存在なんだと痛感させられます。

教師に打たれようが、行軍を強制されようが、もうそんな事はどうでも良くなってしまいました。
みんなの視線も輝きを増しております。

さぁ、後はこのマリンブルーの広大な海原に飛び込むだけです。


もちろん学生ズボンの下には、

すでに海パン装着済みであります。


先生らに促され、海の家をお借りしてクラス単位で更衣室に通されます。
着替えの際には、もうみんな大はしゃぎ。
やはりあのマリンブルーの光景に興奮している様子。
大急ぎで用意を済ませ、一斉にビーチへと飛び出しました!!

ところが。


柔道「よし!並べ!



どこに?

勢いを削がれ、凹んだ面持ちで各クラスまた一列縦隊

整列後、点呼

まぁ、それはまだいいんです。
危険もはらんだ海。
人数確認は必須でしょう。
安全確認は大事です。


でもね・・・・ オレら裸足なんですが

照り付ける強い日差しで、砂浜はギンギンに焼けているわけですよ。
その温度と言ったらハンパじゃないわけですよ。
その上で裸足で点呼なんかノンキにやってたら、

めっちゃ熱いんですよ

当然、砂に足を付けていられないんで、みんな動きますわね?


打たれるんですよそれを理由に。('A`)

動くな!→熱いから動く→鉄拳

新手のトラップでしょうか?

そして、ありがたい事に、その状態のまま待機、先生から海での注意事項の説明が長々と続きます。


新手の拷問でしょうか?

なんとかきつい仕打ちも終わり、 やっとの事で入水

そりゃもう楽園ですわ。

みなさん信じられますか?

浅瀬に熱帯魚が泳いでたんですよ!?
グッピーみたいな小さいヤツでしたが、スイスイと気持ち良さそうに海中散歩してやがるんですよ!?
海水が透けてて、海の底のイソギンチャクとか見えるんですよ!?


全米が泣いた

あまりの感動に、言葉を忘れるほどです。

老後は沖縄に永住と、夢を馳せる17歳。

その後のちゅらさん人気も、今思えばうなずけます。


と、その時でした。


貴様らぁ!集合!!


突然、遠くビーチの方で叫び声が。
号令とともに、一斉に砂浜を目指す子供たち。

号令の主は、柔道の子分である若手実力派のG体育教師でした。
集合した生徒らを再び整列させ、なぜか満足顔。

ちなみにG教師、中山きんに君みたいなマッスルボデーの持ち主です。


G教師「今から、スイカを割る!


・・・・・・で?

続々と運び込まれるスイカ。
各クラスに支給されるいくつかのスイカ。

どうも話を聞いていると、各クラス一斉にスイカを割れとの事。

スイカ割りって、こんなに訓練チックでしたっけ?('A`)


まぁいいでしょう。
この学校なら不思議じゃありません。
さっさと割って、おいしいスイカを早く頂きたいものです。


と、その時・・・。


G教師「このクラスは私が割ろう。


たまたま整列位置がG教師のまん前だった我がクラスのスイカを、自ら割ると豪語するG。

こいつ、僕らのクラスのスイカ、


全部割る気です


スイカ割りって、割る時のハラハラ感がたまらないものですが、それさえ奪ってしまおうという素敵な提案。

しかも目隠しというお楽しみ要素無し。


本気割りの気合いです。('A`)

各自、不安な眼差しで見つめる中、割りの号令を待ちます。 Gの上腕二等筋に血管が走ります。


「スタート!!(?)」





G「フンッ!!!!!















スイカ粉々。 _| ̄|○


星の砂のように、かけらとなったスイカを渡され食えと強制。



シャリ、シャリ、ガリッ シャリ、シャリ、ガリッ


砂混じりまくりやんけ(TдT) 


G「どうだ!うまいか?うまいと言え!!



お金で買えない価値がある。


かくして、とっても素敵な海を満喫し、僕らの海水浴は終焉を迎えたのでした・・・。


その後も、とても旅行とは思えない行軍を繰り返し、最後まで教師陣の監視下にさらされ、夢のような修学旅行は、 夢と散ったのでした。




※教訓



沖縄へは友達と行こう!ヽ(T∀T )ノ




おわり