~2日目~
昨日のO君の惨劇により、疲労の色が濃厚なタコ部屋の9名であります。
しかし、いつまでも落ち込んでばかりもいられません。
何度も言いますが、 これは旅行なのです。
本来は楽しい出来事満載なはずなのです。
高校の修学旅行は通常は1回きりなんです。
テンション上げて行きましょう!(゚∀゚)
そんな僕の思いを知ってか知らずか、
クラスのみんなも心なしかウキウキで一列縦隊です。
何を隠そう今日のプログラムには、メインイベントが組み込まれているのです。
沖縄と言えば何だか分かりますか??
そうです、海です。 SEAでございます。
常夏の日差しを浴びて揺らめく白い波。
透き通るようなエメラルドブルーの世界を漂う色とりどりの熱帯魚たち。
スイカ粉砕に沸き上がる民衆。
これそ沖縄。 ビバ!南国!
数々の先生方の熱い指導にも耐え、僕らはその呪縛から今、解き放たれようとしているのです!!
~それからそれから~
とうとう時はやって来ました。
眼前に広がる光景に、しばし絶句。(´ρ`)
ここ、ホントに日本なんでしょうか?
こんなに素晴らしい景色を、僕は生まれてこのかた目にした事はありません。
来て良かった(。´Д⊂)
スキーに行けず不満だった自分は、いつしか福岡に帰ってしまったようです。
心の洗濯とでも申しましょうか、なんだか自分がちっぽけな存在なんだと痛感させられます。
教師に打たれようが、行軍を強制されようが、もうそんな事はどうでも良くなってしまいました。
みんなの視線も輝きを増しております。
さぁ、後はこのマリンブルーの広大な海原に飛び込むだけです。
もちろん学生ズボンの下には、
すでに海パン装着済みであります。
先生らに促され、海の家をお借りしてクラス単位で更衣室に通されます。
着替えの際には、もうみんな大はしゃぎ。
やはりあのマリンブルーの光景に興奮している様子。
大急ぎで用意を済ませ、一斉にビーチへと飛び出しました!!
ところが。
柔道「よし!並べ!」
どこに?
勢いを削がれ、凹んだ面持ちで各クラスまた一列縦隊。
整列後、点呼。
まぁ、それはまだいいんです。
危険もはらんだ海。
人数確認は必須でしょう。
安全確認は大事です。
でもね・・・・ オレら裸足なんですが。
照り付ける強い日差しで、砂浜はギンギンに焼けているわけですよ。
その温度と言ったらハンパじゃないわけですよ。
その上で裸足で点呼なんかノンキにやってたら、
めっちゃ熱いんですよ。
当然、砂に足を付けていられないんで、みんな動きますわね?
打たれるんですよ、それを理由に。('A`)
動くな!→熱いから動く→鉄拳
新手のトラップでしょうか?
そして、ありがたい事に、その状態のまま待機、先生から海での注意事項の説明が長々と続きます。
新手の拷問でしょうか?
なんとかきつい仕打ちも終わり、 やっとの事で入水。
そりゃもう楽園ですわ。
みなさん信じられますか?
浅瀬に熱帯魚が泳いでたんですよ!?
グッピーみたいな小さいヤツでしたが、スイスイと気持ち良さそうに海中散歩してやがるんですよ!?
海水が透けてて、海の底のイソギンチャクとか見えるんですよ!?
全米が泣いた。
あまりの感動に、言葉を忘れるほどです。
老後は沖縄に永住と、夢を馳せる17歳。
その後のちゅらさん人気も、今思えばうなずけます。
と、その時でした。
「貴様らぁ!集合!!」
突然、遠くビーチの方で叫び声が。
号令とともに、一斉に砂浜を目指す子供たち。
号令の主は、柔道の子分である若手実力派のG体育教師でした。
集合した生徒らを再び整列させ、なぜか満足顔。
ちなみにG教師、中山きんに君みたいなマッスルボデーの持ち主です。
G教師「今から、スイカを割る!」
・・・・・・で?
続々と運び込まれるスイカ。
各クラスに支給されるいくつかのスイカ。
どうも話を聞いていると、各クラス一斉にスイカを割れとの事。
スイカ割りって、こんなに訓練チックでしたっけ?('A`)
まぁいいでしょう。
この学校なら不思議じゃありません。
さっさと割って、おいしいスイカを早く頂きたいものです。
と、その時・・・。
G教師「このクラスは私が割ろう。」
たまたま整列位置がG教師のまん前だった我がクラスのスイカを、自ら割ると豪語するG。
こいつ、僕らのクラスのスイカ、
全部割る気です。
スイカ割りって、割る時のハラハラ感がたまらないものですが、それさえ奪ってしまおうという素敵な提案。
しかも目隠しというお楽しみ要素無し。
本気割りの気合いです。('A`)
各自、不安な眼差しで見つめる中、割りの号令を待ちます。 Gの上腕二等筋に血管が走ります。
「スタート!!(?)」
G「フンッ!!!!!」
スイカ粉々。 _| ̄|○
星の砂のように、かけらとなったスイカを渡され食えと強制。
シャリ、シャリ、ガリッ シャリ、シャリ、ガリッ
砂混じりまくりやんけ(TдT)
G「どうだ!うまいか?うまいと言え!!
お金で買えない価値がある。
かくして、とっても素敵な海を満喫し、僕らの海水浴は終焉を迎えたのでした・・・。
その後も、とても旅行とは思えない行軍を繰り返し、最後まで教師陣の監視下にさらされ、夢のような修学旅行は、 夢と散ったのでした。
※教訓
沖縄へは友達と行こう!ヽ(T∀T )ノ
おわり
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