炎の人生劇場 -7ページ目

銭湯ラプソディー(最終話)

蒸しかえる室内。

したたり落ちる大粒の汗・・・



熱くてたまらんわ!(*`Д´)


うぅ・・・

何やってんだオレは・・・_| ̄|○


脱出のタイミングを逃し、
いまだサウナ我慢大会に参戦中の裸族1名(´ρ`)

体温の上昇とは裏腹に、容赦なく削り取られてゆくHP。



誰か・・・

誰かべホイミを!!(*゚Д`;)
あと、フバーハも・・・



非常にまずい事態である。


3人のバイオレンスな子供たち
は、ヤル気・バカ度ともに100%越えは確実

この不条理な戦いに終止符が打たれる気配はまったくない。

干からびてミイラで昇天などまっぴらである。


もはやこれは子供の遊びなどではない。

生き死にのかかったガチの真剣勝負なのである!!


ヤツらが倒れるか、オレが逃げ切れるか




すると、今まで黙っていた孔雀が不意に口を開いた。




孔雀「てゆーかさぁ・・・なんか我慢大会ってバカじゃねぇ?」






お主、気付きおったか!?


そうだ、その調子だ孔雀。
こんな理不尽な争いなど何の意味も成さない。
憎しみや悲しみを生むだけの戦いなど投げ出し、 今こそ野に放たれようではないか!




金髪「・・・お前びびってんの?」



何を言うか金髪!ヽ(`Д´)ノ

メラニン色素とともにモラルまで脱色してしまった貴様の言う事など、今の孔雀には聞こえぬわ!



さぁ、孔雀!言ってやれ!
社会から逸脱した友人を救うのはお前しかいない!

背中で飼っている鳥は伊達ではなかろう?



今、火の鳥が大空へと羽ばたく時なのだっ!!




孔雀「オレがびびる?ふざけんな!絶対負けねぇ!







やっぱりアホや(;´∀`)



めでたく火の鳥ご帰還。

もしや背中の鳳凰はニワトリではあるまいな?


もう選択の余地は消えた。
こうなったら、オレに残された道は自力脱出しかない。


同じ人間ではないか。

何も恐れることない。


そもそも参加している義務など無いのだ。
これは一種のハプニングだ。

対処さえ間違わなければ難なく回避できるはず。

大事なのはタイミングだけだ。






まゆ無し「じゃあ、負けたヤツ死刑ね。




恐いよママン・゚・(PД`q)・゚・



と、その時だった!


( ;゚д゚)!!

サウナの窓に手を振る男の姿が!!



Mやんけ!!\(T▽T)/


おぉ!オレのピンチを知ってか知らずか突然舞い降りた救世主!

救いの神! いや、心の友よ!!


ヤツには何度も苦汁を舐めさせられてきたが、今回ばかりは彼の偉大さを感じずにはいられない。

友の危機を、その動物的第6感で察知したのだな!



うぅ・・ありがとう・・。

今、感動をあなたに・・・。



助かった・・やっとたすか・・・ん?


Mのヤツ、窓越しに何か口をパクパクさせている。

何をしているのだろう?


はっ!?

これはもしや危機回避の手はずを伝えているのではないか!?

必死になって救出方法を考えてくれたに違いない!


となればミスは許されない。
Mの努力を無駄にしないためにも、一語一句も確認漏れはしないぞ!


なになに・・・・






M「カ・エ・ル・ネ」



うん、そうかそうか帰るのか、気を付けてね(*゚ー゚) ノ



って帰るんかい!!(T▽T)


満面の笑みで手を振る救世主。



そして一人うなだれる裸族の長_| ̄|○



Mに期待したボクがバカやったとです・・・。

お前の車で来たオレに、歩いて帰れというのか・・・。



事態は最悪な展開を迎えました。泣


問題解決のはずが、問題追加です(´Д`lll)

一刻も早くこの場を離れなければ、

彼は帰宅する恐れがあります。

Mならやりかねません・・・。


ヤンキーに手をこまねいていたボクでしたが、ここから歩いて帰るなどまっぴらです。

 

彼らを刺激しないように慎重に対処するのです。

そう、空気のごとく自然に・・・。


ボクは決心を固め、勢い良く立ち上がりました!!




ガン!!


その瞬間、ものすごい音とともに、頭部へ凄まじい衝撃が走りました。



刺青の3人「うわぁぁぁ!?」


なぜかヤンキーのお三方はボクの顔を見るなり奇声をあげています。

その瞬間、軽いめまいに襲われ、額の汗を拭おうとした時でした。


手が真っ赤なんだが。


よく見ると、ぬぐった手のひらが鮮血で染まってます。



金髪「お兄さん、大丈夫っすか!?」



そうです。
ボクは立ち上がった拍子に、壁から突き出した照明器具に頭を強打したのです。



ヤンキー3人組は口々にボクを心配しています。



今、私達はひとつになりました。




その後サウナを足早に出て、清掃員の方に事情を説明。

濡れタオルで頭の傷口をしっかり抑え、急いで駐車場に向かうと幸いMはまだ帰っておらず、車に乗り込みそのまま病院へと驚いている彼に送ってもらいました。_| ̄|○



車中、サウナの窓際で言っていた「カ・エ・ル・ネ」の件を聞いた際のMの一言








「うそって!(゚ー゚*)」



(;´∀`)



~Fin~





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銭湯ラプソディー(5)


今、このサウナという空間に存在するのは、

 ボデーにカラフルなお絵かきを施した方々と、

 一匹のか弱いバカ(゚ー゚*)


ターゲットの3機は、いずれも
バラエティーに富んだ機体カラーを所持。

『孔雀』『金髪』『まゆ毛なし』の3名。


いくらオレが怒れる猛者であろうと、この3人の方々を相手に戦うのは困難だ。


不運なことに方々のいらっしゃるポジションは、入り口ドアのまん前。



ここは空気と同化するしかない。



方々に存在を気付かれ、
この溢れんばかりの殺気(びびり)を勘付かれようものなら、公開処刑の宴が催される恐れもある。


スキを見てこのパラダイス(楽園)から離脱するしかない。



ふん、運のいいヤツらだ。

もしオレの機嫌が悪い時なら、 この独学で学んだ、

ジャッキーも真っ青の酔拳をお見舞いさせていただくところだぜ。


ここはひとつ、大人の落ち着き再発動だ。




と、その時である。



金髪「おい、どれくらいサウナ我慢できるか競争しねぇ?」





あら、素敵な提案(T▽T)



孔雀  「お!いいね!やるやる!」

まゆなし「つーか、オレ得意だし!」




何が得意なの?


特異の間違いじゃないのか?



しかしこれは非常にマズイ・・・。


オレは確かにサウナ好きではあるが、短時間限定が鉄則なのだ。

ほんの少しの熱気に汗を流し、すぐさま水風呂へと直行が普段の旅の行程だ。



金髪「よーし、じゃあ50分からスタートね!」







計器.jpg

これは温度計だっつーの(TдT)



アホや・・・。
愛すべきアホや・・・(泣)



オレはこのバカたちとともにサウナ我慢大会へと参戦したのだった・・・。




つづく






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銭湯ラプソディー(4)

おバカなMはほっといて、さっそくサウナへ直行。


サウナ.jpg

この人の多い中、意外にもサウナはガラガラ。

ラッキー♪( ゚∀゚)

上機嫌で奥の上段の席を確保。
外の風呂場と違い空いているサウナの中は、いたって静か。
遠赤外線の熱い眼差しを受け、じっと目を閉じる。


そう、ここは灼熱のリゾート

気分は常夏のハワイ×5


孤高の戦士には静寂がよく似合う。
毛穴たちよ・・ 汗とともに邪気までも搾り出しておくれ。
暗闇の中、ふと昔の出来事に思いをはせる。

考えてみれば、今まで色んな事があった。

こんな事あんな事・・・。



一つもイイ事ないやんけ。(TдT)

ありえないオレ人生_| ̄|○


もしかしたらこの時、ちょっと泣いていたかも知れない・・。


すこぶるヘコんでいると、突然サウナのドアが開く音が聞こえた。
外の喧騒が耳に流れ込む。



誰か「・・・がさぁ・・・でよー・・・マジでさぁ・・」

誰か「・・うっそ!マジ!?じゃあ・・・じゃねー!?」



何を話しているかはよく聞き取れなかったが、割と若い声。
複数の人間が入ってきたようだ。

せっかく独り占めしていた空間を奪われ、少々落胆気味のオレ。(;´Д`)


まぁ、いいだろう。
サウナはみんなのものだ。
ここは一つ大人の落ち着きでやり過ごそうではないか。

オレはそう決心すると再び壁に寄りかかり気分を静める。



若者「だからさぁー、オレ言ってやったのよ!マジウゼーって!」
若者「ギャハハハ!マジでぇ!?」



うるさいよ?

もうちょっと静かにできないのか?
ここは公共の場だぞ?
ダチの家と勘違いしてないか?
君達以外の人間も利用しているのを忘れてないか?


チッ・・・ガキが
(*`Д´)(自分もガキ)


しかし、一向に彼らが黙る事はない。
むしろ会話のテンションは上がってきた感もある。



ガキA「オレこの前の飲み会のさぁー、なんだっけ名前?」

ガキB「ミユキ?カナ?」

ガキA「そそ!ミユキ!ミユキ!」

ガキC「・・・お前まさか!?」

ガキA「へっへっへ」

ガキB「なんだよ!早く言えよ!」

ガキA「あの後ホテル行きましたぁ♪」

ガキB「うっそ!?」

ガキC「マジで!?」





それからどうなったの!?(゚ー゚*)(違)


いかん・・・ノッってしまってどうするオレ(;´Д`)
しかし声のでかいガキどもだ。
こいつらどのツラ下げて騒いでんだ?

オレはゆっくりと目を開いてみた。




刺青.jpg


ひゃぁぁぁぁぁぁぁ(*゚Д`;)


タツーや!これタツーや!! (((( ;゚д゚)))アワワワワ

なんと立派な孔雀を飼っておられるのだ(;´Д`)
サウナで冷や汗をかいたのは初めてだ。


まさか、よりによってこんな強敵が現れようとは。
刺青などオレが思いつく類は、せいぜい

タトゥー.jpg
        タツーの二人(違)

くらいのものである。


ガキ「ぎゃはははは!!」


いったいどうなってしまうのか!?




つづく



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銭湯ラプソディー(3)

あまりにも出血が止まらないので、場内にいた清掃員のオバちゃんに訴え、バンソウコウをもらう。

これで何とかしのげそう。

オレの顔に、また凄みが加わってしまった・・・。(;´Д`)


しかし落ち込んでばかりもいられない。
せっかく広い風呂に来たのだ。
楽しまないと損というもの。


風呂1.jpg
         ウホッ(゚∀゚)

風呂2.jpg
         アハン(*´д`*)


むぅ・・・風呂最高(゚∀゚)
まさに至福の一時。
戦士の休息。


ビバ!風呂!!(*゚Д`;)

あぁ・・・来て良かった。



しかしMのヤツ、いったいどこへ消えたのだろうか?
これじゃ一人で来たのと一緒だ。

たまの男の裸付き合い。

こんな時こそ語ろうじゃないか。
普段、照れくさいなど語ろうじゃないか!


間もなくMの捜索開始。
場内を一通り回ったが姿は見えない。
どうやら露天風呂に行っているらしい。

湯船で良く体を温めてから、さっそく外の方へ。



露天風呂1
        いいねぇ( ´ー`)


夜空の下で、ライティングによって浮かび上がる岩作りの湯船。
ここが街中という事を一瞬忘れてしまいそう。

肌寒い気温も手伝って、場内とは打って変わって露天風呂は静かなものだ。


Mはどこだろう?
周りには数人の客しかいない・・・・ん!?


つかの間の情緒を堪能する者たちの中、あきらかに異質な雰囲気を放つ人間が・・。


男は湯船など見向きもせず、前を隠す事も無くタオルを首に巻き、仁王立ちで外の景色を悠然と眺めている(;´∀`)

もちろんケツ丸出しで。


その答は、オレが近づくとすぐに判明した。



M「よう!スウェッツ!( ゚∀゚)」




どうでもいいが前を隠せ。

振り向きざまにチ○コも振り向かせるなよ(泣)



オレ「しかし・・・お前、湯船にもつからずにそんなとこで何やっとんですか?」

M 「いやぁ・・オレ考えてたんだよ。」

オレ「・・何を?」


Mはため息混じりに『ヤレヤレ』という表情で言った。


M 「結局さ・・・見えちゃったのよ、探し求めていた向こう側が。」

オレ「??なんだって??」


M 「だからぁ・・・悟ったのよ、風呂を。


・・・・アホやコイツ(´Д`)



オレ「悟るって・・・風呂の何を悟るっつーんだよ?」

M 「例えばな、貧乏人がいきなり金持ちになったとするだろ?そりゃあ最初は、やれ車だぁ家だぁって金使いまくるけど、そのうち買う物が無くなって最終的には元の質素な生活に落ち着く・・・みたいな。」

オレ「・・・。つまり、色んな銭湯や温泉行って飽きちゃったってことか?」

M「ま、そんなとこかな?



コイツはそんな事をずっと素っ裸でひとり考えていたのか?

真性のバカだな。(´Д`lll)


M「あーあ、ったく誰だよ、銭湯行こうなんて言い出したのは?」


お前だ。





はぁ・・これ以上、この香ばしいMには付き合いきれん・・。

サウナでも行こ・・・(´Д`)




つづく




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銭湯ラプソディー(2)

何はともあれ、さっそく浴場へ。


場内は湯気が立ち込め、活気に溢れている。
オレは体を洗ってからでないと湯船に入らない律儀な人間。
汚れてなくともそれが礼儀というもの。


入り口からそのままダイブする子供は 、敢えて触れないでおこう。


Mの姿は相変わらず見えなかったが、気にせず洗い場へ。
満杯状態に近かったが、なんとか中年とおぼしきオヤジの横に陣取ることが出来た。
かけ湯を頭からかぶり、自分で買ったシャンプーで一気に洗浄。
ついでにヒゲも剃ってしまおうか。

鏡をマジマジと眺める。


うーん、泥棒ヒゲ。


なんという再生力

朝剃ったばっかなのに(;´Д`)
このままでは婦女子に笑われてしまう。


オレはシェービングムースをまんべんなく顔全体に塗り込み、
自分で買った安全カミソリを滑らせる。

このジョリジョリ感がたまらない。

これぞ男のたしなみ


と、その時だった。




「あっ!!」




驚いたような子供の声とともに、背中への衝撃が走った。
振り返ると、丸坊主のかわいらしい男の子がチ○コ丸出しで倒れているではないか。

大方、走り回って遊んでいるところへ、オレにぶつかったのであろう。
今日のオレは機嫌がすこぶるイイ。
助かったなボウズ、普段ならキレるところだぜ?


オレは転んだままのその子供に優しく手を差し伸べる。
まさに大人の余裕。


すると・・・・





子供「うわぁぁぁぁぁ!!(゚Д゚;)」



男の子は悲鳴をあげ、「おとーさぁぁーん!!(TдT)」と叫びながら一目散に逃げていったではないか!


いったいなんだというのだ?
せっかく大人の余裕で許し、なおかつ助けてやろうと手を貸したのに。



感動したのか?



いや、そんな生易しいもんじゃない。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)並みのトラウマを背負ったようなツラだった。


ふん!まぁいい。
子供に恩義を感じろというのが所詮無理な話。
オレは再び鏡に向き直った。





顔、血だらけやんけ(゚д゚lll)




アゴの辺りからヒタヒタと鮮血が流れている。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
どうやらさっきのぶつかった拍子にカミソリで切ったようだ。


これじゃ驚くよね(゚ー゚*)




オレとしたことが・・・
顔面ユニチャーム状態に陥ってしまうとは(;´Д`)

周りの人々も、あきらかに奇異の目でオレを見ている。


被害者はオレなのに、このやってしまった感は何だろうか?


傷の絶えない男はツライ( ´ー`)




つづく




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