炎の人生劇場 -12ページ目

バカコンパ(3)


「ねぇ、ねぇ、二次会行くのやめない??」

モデルのその言葉を聞いて、ボクはかなり動揺しました。
「やめる」じゃなく「やめない?」って事は、ボクにも言ってるって事です。


ボク 「い、いいけど、これからどうしよっか!?」
モデル「ちょっと歩かない?少しだけ」


歩くのがそんなに好きなんでしょうか?(違


ボクらはどこに行くでもなく、ゆっくり歩き出しました。


モデル「ふぅー、なんかさっき走ったから、ちょっと酔いが回っちゃったみたい」
ボク 「そ、そう?
モデル「でも、ビックリしたよ。店出たらスウェッツくんがいるんだもん。」
ボク 「あ、あはは!!(゚▽゚|||)


悟られまいと必死ですが、ボク、あきらかにおかしなテンションになっとります。


モデル「今ごろ、向こうで騒いでるかなぁ?私たちがいないって(笑)」
ボク 「うーん、そろそろ携帯にかかってくるかも(汗」
モデル「ね、ね、一緒に携帯の電源切ってみよっか??」



をいをいマジですか!?



するってーと何ですか?誰にも邪魔させないって事ですか??
喜びますよ?いや、もう喜んでますが(*゚Д`;)

物理的にも電波的にも、ボクたちを邪魔するものはもうありません!ラララ♪

しかし、さっきからの彼女の言動・・・これってなんかモーションかけられてるんでしょうか?
これはもしや、男と女のLOVEゲームってヤツでしょうか?

と、とにかく携帯の電源を切ろうとした時、液晶画面の表示に驚愕いたしました。
時刻は午前0時を過ぎてます。
もう終電ありません!!

>「少し歩かない?」

歩いてる場合じゃありません!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

終電の終わった深夜に、美女と街角散策してる場合じゃないんですよ!!ちょっと!

数あるコンパで苦汁をなめてきたボクの過去の記憶に、この後の展開の答は掲載してません。
も、もしかして連れ込み宿決定ですかコレ!?


モデル「どしたの?なんか顔色悪くない?大丈夫?」

おぉ、さすが白衣の天使。
こんな時にもメディカルチェックを欠かしません。

ボク 「いや、逆になんか元気出てきた!」

それ、どこの元気だよ、オレ!?


すると、モデルがとんでもない事言いやがりました。


モデル「ね、手つなごっか。」

キタ━━━━━━\(T▽T)/━━━━━━ !!!!!

これはもうOKサインですよね!?
嬉しさと感動で泣いてたかもしれません。
手、暖かかった(TдT)


この後、なんとなく二人は無言。たまに目と目が合うと、彼女にこっと笑います。

くふぅ~(*゚Д`;)

とてつもなくカワイイよ、ちょっと!

嗚呼、幸せです。

こんなキレイな人とボクは臨界点を超えるかもしれないのです。
まるで夢のようです。
まさかマトリックス世界っていうオチじゃないでしょうね!?


ボク 「寒くない?」
モデル「うん・・・ちょっと。」
ボク 「どっかで休もっか?」
モデル「え?・・・どっかって?」
ボク 「いや、変な意味じゃないよ!」


変な意味以外に、どんな意味があるんでしょう?


ボク 「いや、ダメなら別にいいんだけど!ただモデルちゃんカゼひいたら大変だし!それにほら、雪降ってるし!?」

もう、しどろもどろです(;´∀`)
ボクは必死でした。



モデル「・・・・。いいよ。」



嗚呼、やったよ!!ボクやったよ!!とうとう頂上に登れたYO!!



かくして、二人は深夜の超特急に乗車したのでした!



そして伝説へ~

バカコンパ(2)

しばらくトイレで話した後、部屋に戻ってみると、童顔と細い子の姿がありません。
お姉系「あのね、細い子さ、門限あるからってさっき帰ったのよ。童顔くんが送ってくれるって。」

童顔のやつ、どうも細い子狙いだったようです。
やはりぬかりはなかった!
おとなしい面してしっかりしてます。
ちゃっかり二人っきりになって童顔が豹変しなければいいのですが。


オシャレは部屋に戻るなり、さっそくみんなに言いました。

オシャレ「はーい、とりあえずまったりしてきたんで、席替えしますか!!」

まったりと席替えの関連はわかりませんが、オシャレ仕切りでみんなは席を移動して行きます。
男は真ん中で隣同士、女の子はテーブルの四隅に、つまり

女男男女

テーブル

女男男女

って感じの配列です。
互いに干渉されることなく、それぞれ1対1になれる見え透いた配置です。

もちろん金持ちの隣はお姉系

ワイルドは幼い子

オシャレがモデル狙いだから、ボクは色白な子が隣に来るはずです。

もう、誰でもいいんで相手してください(泣)


オシャレ「じゃあ、モデルちゃんはオレの隣ね♪」

オシャレがそう言った時でした。


モデル「あ、私、スウェッツくんと話したいかも


一同、エッ!?って顔してます。
オシャレはなんだかプルプル震えてます。
あきらかにショックを隠せない様子。


モデルはニコッと笑うと、ボクの隣に自分から座りました。


これって・・・大逆転ってヤツでしょうか?


オシャレは納得いかない表情でしたが、彼女の選択は尊重しなければなりません。


改めてモデルの顔を見てみると、やはりかなりの美人さんです。
顔、小せぇぇ!(((( ;゚д゚)))
大きな瞳がなんかキラキラしてます。
天の川でも走ってるんでしょうか?


モデル「さっきは、ありがとね。」
ボク 「へ??」

モデルはそう言うと、ボクの耳元で小声で耳打ちしました。

モデル「ほら、さっきのしりとり。スウェッツくんで終わらせてくれたじゃん。」

どうも彼女、あの手のスケベなネタが苦手だったらしく、ボクがモデルに気を使って、わざと終わらせたと思ってるようです。

ナイス勘違い(T∀T )

おぉ、神は我を見放してはいなかった!!
そういえば、席替えする前の彼女の席はボクの手前。
しりとりの順番はボクの次になるはずだったのです。

神様、素敵な偶然をありがとう。


彼女は意外にとっても気さくな人でした。
こんなにキレイなのに、ちっともそれを鼻にかけていません。
時折見せる笑顔には、癒し効果でもあるかの様にボクの心をポカポカにしてくれます。

ボク 「なんで看護士になろうと思ったの?」

月並みな質問でしたが、率直な疑問でした。
彼女なら、ホントに『モデル』とかスカウトされてそうだったし。

モデル「私ね、中学の時、お母さんをガンで亡くしててね。その時はすっごい悲しくて、毎晩泣いてばっかりだったのね。でもさ、ほら、何て言うのかな。ずっとそんなんじゃダメじゃん?悲しいのはお父さんも同じだし。私が落ち込んでばっかじゃ、私の心配までしなきゃいけないじゃん?」

彼女は笑いながら続けました。

モデル「お母さんが入院してる時さ、いっつも優しくしてくれる看護士さんがいたのね。いつもテキパキしてて、なんかカッコイイのよ。お母さんが亡くなってからも電話とかしてきてくれてさ。色々話したよ。私が立ち直れたのは、その人のおかげかも知れない。あぁ・・・命を相手に仕事してる人たちって、すごいなぁって素直に憧れた。」


ちょっとボク、涙ぐんでしまいました。
大変素晴らしいお話です。

ボク 「じゃあ、今は充実してんだ?」
モデル「うん。でも失敗ばっかやらかしてるから、婦長に目を付けられてるけどねぇ。」

人それぞれ色んな人生があるもんです。
なんだか合コン決まって騒いでた自分が恥ずかしくなりました。


聞けば、彼女はコンパという物にあまり参加した事が無いそうです。

モデル「私、苦手なんだよねぇ合コンみたいなノリ。なんか軽いじゃん?合わない  ってゆーか、チャラチャラしたのダメなのよ。」
ボク 「でも、行けば、かなり男が寄って来るでしょ!?」
モデル「ぜーんぜん。私、根が親父臭いから、みんな逃げちゃうし。やっぱ男の子って、甘えたりされたいんでしょ?私そんなの出来ないもん。なんか恐いって思われてるかも。」

トイレでのオシャレの言葉を思い出しました。

「しっかしぃ、なんか固い。彼氏はいないみたいだけど。連絡先聞こうとしたらかわされた。」

うーむ、確かにオシャレはモデルちゃんの一番苦手なタイプなのかも。
だからって、ボクを好みってわけじゃないでしょうが、ヤバイっす。

ボク、モデルちゃんに惚れてしまったとです。(*´д`*)

というか、キレイな顔立ちよりも、むしろその心意気に惚れました。
すれてないっつーか、なんというか、人間性に強く魅せられてしまいました。
今までの、

美人=性格悪い

という固定観念が崩れ去りました。
おぉ、なんとまぶしいお方でしょう。

それに比べて、ボクの汚らわしさと言ったら(;´∀`)

今夜は菩薩に出会ったようです。
ありがたやありがたや

それからの時間は、とても楽しかったです。
これ、ボクの勝手な勘違いかも知れませんが、ボクとモデルはかなり相性がイイのかも知れません。

ボクがボケると彼女がすかさず突っ込む。

何回か地獄付きも食らいましたが。

二人で、キャッキャしてると、突然オシャレが切れ気味に声を荒げました。

オシャレ「とりあえずばったりしてきたんでー、つぎぃー、二次会行きまーす。」

『まったり』と『ばったり』の区別もつかないほど酔ってるようです。

会計を済ませ、玄関前でみんなを待っていると、オシャレがボクにヘッドロックをかましながら言ってきました。

オシャレ「おい!お前、自分が勝ったと思ってんだろ?コラ」
ボク  「んな事思ってないってば。」
オシャレ「くそー、なんでお前なんだぁ。なんでオレじゃないんだぁ!」

絡みだすとキリがありません。

オシャレは色白の子に介抱されながら歩いてます。

みんな向かう方向は一緒なのに、それぞれ微妙にカップルになって歩いてます。

モデル「はは、なーんか恥ずかしいね、この人たちは。」
ボク 「もう、みんな出来上がってるしねぇ。」

ワイルドは幼い子と手を繋いでいます。
幼い子も、まんざらでも無さそうです。

ボクとモデルは、つかず離れずの距離を歩きました。
なんでしょう、このこっぱずかしい状況は?

まるでウブだった学生時代に戻ってしまったかのようです。

あぁ、ボクもモデルと手を繋ぎたい・・・。

気付けば、ボクの進行方向は次第に彼女の軌道上を目指して接近しております。
そうだよ、自然に自然に・・・。
もうアホです。

と、その時でした。

モデル「あぁー!!携帯忘れたぁ!!」

どうもさっきの居酒屋に置き忘れたみたいです。

モデル「ごめん!!さき行ってて!!」

彼女はそう言い残すと、もと来た道を爆走していきました。


そんなぁ・・・手が繋げなかったよぅ・゚・(PД`q)・゚・



バカな事言ってる場合じゃありません。


もうけっこうな距離を歩いてきました。
女の子一人の夜道は危険です。
ボクはすかさず彼女の後を追いました。
決して下心などではありません。(*゚Д`;)

けっこう飛ばしたんですが、追いつけませんでした。
ボクが居酒屋に着いた時は、すでに彼女は入り口から出て来るところでした。

モデル「どーしたの、そんな息切らして??」
ボク 「ハァ、ハァ、いや、心配だったから。」

つーかアンタ足速いなオイ!

モデル「わざわざ追って来なくて良かったのにぃ。」

えぇ!?(;´∀`)
やはり月9のような展開にはなりませんです。


しかし!ドラマはここでやってきました!!



モデル「ねぇ、ねぇ、二次会行くのやめない??」


こ、この言葉が意味するものは!?

つづく

バカコンパ(1)

~ある日~

PM8:00

今日は待ちに待ったコンパの日。
血気盛んな野郎5人は、JRのとある駅前で今日のお相手である女子を待っておりました。
メンバーは、以下の5人です。

○野性味溢れるワイルド野朗
○いつも小奇麗オシャレ野朗
○なんでそんなに金持ちなの?野朗
○母性本能くすぐり童顔野朗
いつもお笑いバカ野朗


この5人の中でボクがどれであるかは、もうお分かりですよね?(泣


今日のセッティングはオシャレの偉業であります。

オシャレ「おい、お前ら、今日はキレイどころ集めたから感謝しろよ」
以下4人「わーい!ありがとう!(゚∀゚)」

当分、オシャレには頭が上がりそうにありません。

今日は一段と冷え込み、福岡の空には雪が舞っております。
今夜は天使が現れるやもしれません。


すると金持ちが私にそっと言いました。

金持ち「お前、ちゃんと持ってきた?」
ボク 「へ??何を??」
金持ち「バカ、アレよ、アレ

金持ちはそう言って財布から何かを出しました。
なんとそれはコンドーム!(*゚Д`;)

金持ち「オレ、前に性病もらったからさ、やっぱ無いと危なくない?」

この人、もうヤル気満々です(汗
そう言えばボク以外のメンバー、それぞれ各方面で浮き名を流す百戦錬磨の猛者だったの忘れてました。

すでに結果は見えているのでしょうか?

ボクが持ってないと言うと、金持ちはポケットから数枚のコンドームをボクに手渡し、満面の笑みでこう言いました。

金持ち「行っとけ!!」

どこに行けと言うのでしょう??天国ですか?


そうこうしていると、オシャレの携帯が鳴りました。
異様に高いテンションで何か話しております。
どうやら、女の子たちが到着したようです。

なんだかイイ年こいて緊張します。

すると、駅の階段をゆっくりと降りて来る、5人の姿が!!

ワイルド「ナイス!!オシャレ!!」
童顔  「レベル高くねー!?」
オシャレ「はっはっは。騒ぐな騒ぐな」
金持ち 「ホント、オシャレの枝、レベル高いわ」

ボク  「はぅぅぅぅ(*゚Д`;)」

彼女たちを遠目に捉え、みなそれぞれ一喜一憂しております。

なんか女の子たちもニヤニヤしながら目の前にやってきました。

「ごめーん、だいぶ待ったでしょ?」

恐らく今回の幹事役の子は、そう言ってかわいく手を合わせてます。
とにかく寒かったので、とりあえずオシャレが予約した洋風居酒屋に向かってみんな歩き出しました。

なんかみんな楽しそうです。
道中、すでに野朗4人は女の子たちと会話が盛り上がってるい様子。
確かに女の子たちは5人ともキレイな人ばっかでした。


○ちょっと気が強そうな大人っぽいお姉系(幹事)
○色白で笑顔のカワイイ感じの子
○めっちゃ細い、目鼻立ちのハッキリした子
○すごい背がちっちゃくて、幼い感じの子
○なぜか大人しいけど、一番キレイな子。モデルみたい!

以上の5人さんです。

お世辞じゃなくて、確かに全員かわいい!
野朗どものテンションが高いのもうなずけます。

PM8:30


居酒屋到着。
店内は照明を少し落とした雰囲気のイイ店です。
オシャレのセンスの良さが光ります。

オシャレ「好きなとこ座ってねー!あ、男と女交互に座ってよ」

オシャレはニコニコしながらみんなを席に案内してます。

さすが慣れていると言うか、意外に男女交互に座るって、途中からは照れますよね。
こうして最初からなら自然です。


しかし、なんでボクは奥の端っこに座ってるんでしょう?
自ら不利なポジションを選んでます。

しかしヘコんでる場合じゃありません。
今日は、いつものお笑いは封印です。

大人の渋さで勝負です。

ボクは決意を新たにポケットの中のコンドームを握りしめていました。

乾杯の後、みんなそれぞれ自己紹介。
順番を見ていると、どうもボクが最後のようです。

オチをつけろと言う意味でしょうか?

野朗たちは軽妙なトークで自己紹介して、女の子たちもウケて笑ってます。

なんでしょう?この胸の高鳴りは?お笑いは封印したじゃないか!!
そんな葛藤と戦っていると、ボクの番が回って来ました。

ボク「えー、スウェッツです!今日はイイ男を捜しにロシアから来日しました。よろ            しくね♪」


嗚呼、なんという中途半端なコメント_| ̄|○ ガクッ

一瞬、場が凍りついたのがわかりました。
「キモィ」とかすかに聞こえたのは気のせいでしょうか?


えぇー、一言で言うと完全に乗り遅れました。
みんなそれぞれ隣同士で盛り上がってるんですが、なぜかボクの隣のお姉系は相手してくれません。
そのさらに横のオシャレとばっか話してます。

照れてるんでしょうか?

ボクは手酌で自分のグラスにビールを注ぎながら、タバコばっか吹かしてます。
なんだか悲しくなってきました。
このままではマズイ!
ボクの焦りは頂点に達しつつありました。

すると、ワイルドが「しりとり」をしようと言い出しました。
なんかニヤついてます。ワイルドはかなり酔ってる様子。ヤツは何か企んでます。

ワイルド「じゃあ、スケベな言葉限定ね!」

おいおい、どんなしりとりやねん(´Д`)
ワイルドの悪い癖です。
「エロ」はご法度だろう!?女の子、引くぞ!?


幼い子「じゃあ、私から!『エッチ』」


ノリノリかよ!?(*゚Д`;)
みんな超盛り上がってます(汗)

次々と繰り出されるスケベ用語の数々・・・。

酒の席とは言え、女の子もかなりエグい事言ってます。

なんでみんなそんなに早く答えれるんだ!?
難しいぞ、スケベ限定って!?

順番はどんどん進んでます。
とんでもねー単語を言ってるアホもいます。
早くもボクの隣のお姉系までやって来ました。

お姉系「うーんと、じゃあ、『キス』!」

ス!?


『ス』です、『ス』

しりとりはリズムが命。
早く答えなければ!!(((( ;゚д゚)))アワワワワ


ボク「ス、ス、スキン!!

終わってしまいました(泣)

思わず『ん』で終了。


金持ち「スウェッツ、終わらすの早いし」
モデル「よかったぁ、私の番まで回って来なくて」
オシャレ「ちっ盛り上がらなんなぁ」
色白「ってゆーか、童顔、なんて言ってたぁ??」


みなさん、すみません(涙)

ボクは居たたまれなくなり、トイレに立ちました。


「はぁ・・・。」
出て来るのはため息ばかり。
やっぱりボクは合コンには向いていないようです。

トイレの鏡の前で一人しょぼくれていると、オシャレと金持ちが一緒にやって来ました。

オシャレ「スウェッツー、『スキン』はないだろう『スキン』は。」
金持ち 「スウェッツ、誰か好みの子いたか?」
ボク  「いやぁ、ダメだわ・・・。オレなんか浮いてるし。」
オシャレ「お前は押しが足りん!狙った女はすぐにチェックしないと。」
金持ち 「オシャレは誰よ?」
オシャレ「やっぱモデルでしょ?ダントツじゃねー?」
金持ち 「やっぱそっか。オシャレわかりやすいからなぁ。」
オシャレ「しっかしぃ、なんか固い。彼氏はいないみたいだけど。連絡先聞こうとし            たらかわされた。」
ボク  「オシャレでも、そうゆう事あるのね。」
オシャレ「金持ちは誰??」
金持ち 「オレはぁ・・・お姉系かなぁ。」
オシャレ「ウソ!?マジで??オレの隣じゃん!帰ったら席替えすっか!」


二人の会話についていけません(TдT)

すでにご両人とも狙いは決まっているご様子。

帰ったら席替えするみたいです。
あの二人がそれぞれ目当ての子を隣に座らせるのは目に見えております。

しかしその席替えで、驚きの展開が待っているとは、この時点で想像もしていませんでした。

つづく

悲恋の彼方に(後編)

二次会に向かう道中、ボクとYちゃんはみんなと少し離れて歩きました。
なんかいい雰囲気。


もしかしたら告白どころの騒ぎじゃないかもしれません。


ボクがそんなアホな妄想にふけっている時でした。

Tが何やら騒いでます。

T「やっぱさぁ!二次会、スウェッツの家にしない?」


なんですと!?


T「店入ると、また高くつくじゃん!家飲み家飲み!」

ボクは耳を疑いました。
何言ってんだ!?
話と違うじゃないかよ??

するとTがボクを引っ張って言いました。

T「オレさ、あんまり金ないんだわ。お前の家ここからすぐ近所じゃん!一人暮らしだし、部屋も二つあって広いし!みんな気を使わなくていいじゃんか。コンビ二で酒買えば安く済むしさ!ちょっと飲んだらすぐ帰るから!頼む!!」

お金がないなら仕方ありません。
幸いすぐに帰ると言ってるし、渋々ボクはOKしました。

T「いやぁ、しかしYちゃんカワイイねぇ」

なんでしょう、このTの発言は。
何か嫌な予感はしましたが、この時のボクにそれを読み取る力はなかったのです。



~スウェッツ宅~


みんな店じゃなく家飲みなので気が緩んでいるのか、大そう酔っている様子。
コンビニで買ってきた安い焼酎がさらに拍車をかけています。
T君らは相変わらず帰る気配もなく、Yちゃんも次第にロレツが回らなくなってきました。

いつまでも二人きりになれないで少々イラ立って来た頃、焼酎の水割りに使っていたが無くなってしまいました。

しかし誰も動こうとしません。
横になって寝ているバカもいます。
この状況にすっかり酔いが醒めていたせいもあり、まともに動けるボクが追加のを買出しに行くハメになりました。

もちろんYちゃんの「いってらっしゃい」の言葉に見送られながら (TдT)


酔いが醒めてきたとは言え、飲酒運転はあぶないです。
泣く泣く遠くのコンビニまで歩いて行く事に。

テクテク歩いているうちに、なんだか一人ぼっちの自分がすごく悲しくなり、早くみんなのもとへ戻りたくて途中から走っていました。

深夜のコンビニへ向け、を求め疾走する家主



やっとの思いでコンビニで氷を買い、家に着いたころには30分も経過していました。

しかしこれでみんなに会える!
もうさびしくなんかないさ!とアパートの二階のボクの部屋を見上げた時でした。

窓の電気が消えてます。


まさか、ボクの帰りを待ち切れずにみんな帰ってしまったのか!?

そんなのあんまりです。

ボクはいたたまれなくなり、足早に階段を駆け上がり、玄関をそっと開きました。

するとたくさんのクツがまだあるじゃありませんか!!
耳を澄ますと、かすかに寝息が聞こえます。
酔いが回り過ぎて睡魔に襲われたのでしょう。

二つあるうちの手前の部屋を覗くと、案の定何人かはザコ寝状態でした。

スヤスヤと眠る子供たち。

穏やかな眠りにつく子供たちを起こさないように、静かに冷蔵庫へと向かおうとした時でした。


ちょっと待ってください。


T君Yちゃんが部屋にいません。


玄関にはちゃんと二人のクツはありました。
いったいどこに行ってしまったのでしょう?


その時でした。


「ん・・・ぁ・・ぁ・・」


!?(((( ;゚д゚)))
隣の部屋から何かうめき声の様な音が聞こえます。

最近、夜中に盛りのついた猫の鳴き声が赤ちゃんの鳴き声に聞こえた事がありました。
ボクは恐る恐る隣の部屋に近づいてみました。


「・・・あ・・あん」


あん!?

うめき声というよりはよがり声に聞こえるのは気のせいでしょうか?


ボクは言い知れぬ不安を必死に抑え、思い切って隣の部屋のドアを勢い良く開け放ちました!!






アイヤー、刺サッテルアルヨー

ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!




眼前に広がる光景は、ボクの想像をはるかに超えたものでした。

この人たち性交してます。

ひとんちで性交してやがります。

ライブです。
今まさにボクのベッドではライブが行われています(泣)


二人ともボクを背に、人類繁栄の儀式に夢中で気付いてさえいません。

「お前、何やっとんじゃゴルァァァァ!!! (゚Д゚#)」





~エピローグ~

もうすぐ秋
肌寒い季節になってきました。

街をゆく恋人たちも、心なしか寄り添って歩いているように見えます。


思い出したくもないあの地獄の一夜が明けた翌日、T君はひたすらボクに記憶がないと平謝りでした。
時間は多少かかりましたが、今では仲直りしてます・・。




Yちゃんとはどうなったかって?





Tの大型キャノン砲が突き刺さった局部を見てしまったボクが悪いんです。



Yちゃんはそれっきり連絡をくれなくなってしまいましたとさ。



また冬がやって来るとです・・・。

冬眠します。




起こさないでね♪(T▽T)

悲恋の彼方に(前編)

みなさん・・・っていいよね?

特に若い頃の恋ってやつは、ある時は傷付き、またある時は歓喜し、忘れられない想い出を残してくれるもんです。

今回の実録は、そんな数ある恋話の中からベストなケースをピックアップ。





~スウェッツ若かりし頃のある日~


「はぁ・・。」



ここ最近の僕は、こんな気の抜けたタメ息ばかり。
一日中ぼんやりしたかと思えば、時折襲う胸の痛みに苦悩する毎日でした。

それもこれも原因は愛しのYちゃんのおかげであります。

先月の飲み会で偶然出会って以来、その優しい声や雪のように真っ白な肌、目が合うと天使のような笑顔を見せる彼女に、

僕のハートはくびったけ(死語)

勇気を出して誘うと、Yちゃんは快くOKしてくれまして現在数回に渡るデートに成功しております。

この間なんか、映画の前にゴハンを食べに行ったお店で話が盛り上がり、開演時間に遅れそうになって思わずYちゃんの手を取って劇場へと走りました。

Yちゃんの手・・・
柔らかかったよ\(T▽T)/


そんな小さな感動を感じつつも、ため息の数は一向に減りません。

なかなか「付き合って!」の一言が言えないのです。

たぶんYちゃんもボクに、少なくとも好意と呼べる想いはあるはず。
でも告白して、もし断られたらどうしよう?
『じゃあ友達ね!』って風には割り切れる自信もありません。
でも今のままじゃ、いつまでたっても「友達」のまま・・・。

若さゆえのジレンマに悩まされるボクに、友人たちは口々に言いました。

「何か動かなきゃ、何も始まらないぜ!」
「早くしないと他の誰かに持ってかれるぜ!」

みんな親身になってアドバイスをくれます。
おぉ、ありがとう仲間たち。



そんなある日の事でした。


「今度さぁ、スウェッツの好きなその子も入れて飲み会しようぜ!」

煮え切らないボクに、ある提案を持ちかけたのは相談相手である友人のT君でした。

「お前、どうせ二人っきりになると楽しくさせるばっかで、なかなか告白って雰囲気に持っていけないんだろ?だからさ、オレたちが飲み会で盛り上げてやっから、それとなく二人で抜け出して一気に言っちゃえよ。」

時には酒の力も必要だと豪語するTに、感謝と憧れを抱きながらうなずくボクでした。


その後はTの仕切りで話はトントン拍子。
かくしてYちゃんを含む3対3の飲み会がセッティングされたのです。




~飲み会当日~


ボクは酔ってました。
これから決行する告白に向けての極度の緊張に耐え切れなかったのです。
Yちゃんは相変わらずキレイで、みんなとも楽しく会話を弾ませております。

Tのヤツ、ボクに気を使ってるのか何かとYちゃんを盛り上げようと頻繁に彼女に話しかけてます。

もう、嫉妬してしまうくらいに。
ありがとう、T君。
おかげで、テンパって口数の減ったボクに代わってTの活躍によってYちゃんも退屈にならなくて済んだよ。


そんな友人たちの助け舟を無駄にはできません。
ボクはずっと今か今かと二人で抜け出すタイミングを見計らっておりました。


飲み会も中盤に差し掛かった頃、トイレで居合わせたTが言いました。

T「おい、大丈夫か?」
私「・・うん。」
T「お前なぁ・・まさかここまで来てビビッてんじゃないだろうね?」
私「いや!違うよ!!ただなかなか抜け出すタイミングが・・。」

ボクがまた弱音を吐きそうになったので、見かねたTはまたもや力になってくれると言います。

T「じゃあさ、もうここ出ようぜ。二次会に行く途中でみんなの気をオレが引いとくから、お前はYちゃんを連れてバックレろ!」

なんてイイ人なんでしょう。
T君、感謝します。
情けないボクの味方になってくれてありがとう!

T「しかしYちゃんってかわいいな。お前がうらやましいよ。」
私「まだ、彼女になったわけじゃないじゃん(汗)」

ボクらはそう言いながらハイタッチを交わし部屋へと戻りました。


ただ・・

T君ちょっと酔っ払い過ぎてるのは気のせいでしょうか?
異様に高いテンションが気になります。



その後すぐにTの「二次会行こう」の一声で、みんなは店を後に。
ボクは勇気を振り絞ってYちゃんに話しかけました。

私「Yちゃん大丈夫?気分悪くない?」
Y「うん、大丈夫。ありがとうね。スウェッツ君っていつも優しいから、なんか好きになっちゃいそう・・・。」
「え!?」
Y「あ、いや、変な意味じゃないよ!私、何言ってんだろ、ははは。けっこう酔っ払っちゃった。」


好きって言ったよ(ノД`)


この一言がボクに火を付けました。
もう迷いはありません。
意を決したボクを止めるものなどないのです!
待ってなよYちゃん!
すぐに君のもとへと飛んでゆくからね!

ボクの興奮は最高潮に達していました。














このあと起こる地獄絵図も知らずに。














以下後編へ!!